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2024.06.05
- 健康
糖尿病になりやすい食習慣
糖尿病・・・。医者である僕が最もなりたくない病気です。それは糖尿病の恐さをよく知っているからです。
もし食習慣で糖尿病のなりやすさが変わるとしたら・・・
今回は糖尿病になりやすい食習慣を解説します。
1. 糖尿病とは
日本人の10人に1人は罹患していると言われる糖尿病。まさに国民病ですね。
糖尿病とは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが十分にでない、もしくは十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(グルコース)が増えてしまう病気です。
通常は空腹時血糖値(検査当日の朝食を取らずに測定した血糖値)が110mg/dl未満、75gのブドウ糖負荷試験で140mg/dl未満が正常と判断されます。この基準からずれてくると、血糖の調節に障害がある(耐糖能異常)と判断されます。
2. 糖尿病に合併する疾患とは
糖尿病に合併する疾患には、大きく分けて「細い毛細血管が傷ついて起こる病気」と「太い血管が傷ついて起こる病気」に分けられます。
➢ 細い毛細血管が傷ついて起こる病気には、手足の感覚を司る神経が障害されて痺れや感覚が鈍くなる「糖尿病性神経障害」、腎臓の働きが悪くなる「糖尿病性腎症」、目の中の網膜の血管が傷ついて視力が起こる「糖尿病性網膜症」があり、これらを糖尿病3大合併症といいます。
神経障害は、神経細胞に栄養を送る毛細血管が障害されるために生じてきます。
腎臓は血管の中に溜まった老廃物と必要な栄養成分を分ける濾紙のような作用をする臓器であり、非常に多くの細かな血管から構成されています。血管が障害されることで、濾過できる面積が減ってしまい、腎障害を起こしていきます。現在の日本人における透析導入の原因疾患第1位です。
目の中にある網膜も細かな血管が生えており、これが障害されることで出血を起こし、最悪失明の原因となります。
➢ 太い血管が傷ついて起こる病気には、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などが挙げられます。また、糖尿病のコントロールが悪い場合、糖尿病性心筋症と呼ばれる病気を発症し、心不全に至る方もいます。
このような血管の病気以外にも、肺炎、歯周病、皮膚炎なども発症しやすくなり、逆にこのような感染症を起こすことでさらに糖尿病が悪くなることが報告されています。
また、最近の報告では、ガンやアルツハイマー型認知症にもなりやすいことがわかってきています。
3. 糖尿病になりやすい食習慣とは
そんな糖尿病ですが、京都府立医科大学の研究グループが約13万人を対象として10年間にわたり追跡調査した面白い結果が報告されています(J Diabetes Investig 2024 Apr.2)。
その内容はずばり
糖尿病になりやすい食習慣
今回の研究では、平均追跡期間6.4年の間に6729例(5.9%)が2型糖尿病を発症しています。
その中でわかった糖尿病になりやすい食習慣とは
第4位
夕食後の間食
夕食後に間食することで、血糖値が上昇しやすくなり、将来糖尿病に罹患する可能性が7%増加することがわかりました。
第3位
寝る前の間食
夕方以降は、1日の中で最も食後の血糖値が上昇し易い時間帯です。
なので寝る前の間食をすることで血糖値が上昇し、糖尿病を発症する可能性が8%増加することがわかりました。
第2位
朝食をぬく
けっこう朝食を抜く方は多いのではないでしょうか。
朝食を抜くと、1日のトータル摂取カロリーが減って、血糖値も下がりやすくなるのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。
でもそれは間違い!
朝食をぬくと、その後に食べる昼食や夕食の血糖値が上昇しやすくなることがわかっています。
これを「セカンドミール効果」といったりもします。
朝食をぬくと、将来糖尿病になってしまう確率が33%も増加します。
そして堂々の第1位
早食い
早く食べると、急激な血糖値の上昇を招いてしまいます。あまりにも早いのでインスリンの分泌が追いつかず、血糖値をうまくコントロールすることができなくなります。
早食いをすると糖尿病を発症する可能性がなんと2倍に跳ね上がります。
食習慣によって将来の糖尿病の発症リスクが大きく変わります。
1つでも当てはまる方がいらっしゃれば、是非今日から少しでも食習慣を変えていきましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
箕面船場にあるまにわクリニックでは、薬のみに頼るのではなく、栄養指導、運動指導、必要な栄養素の提案など、全身的なアプローチを行っております。
血糖のことが心配、実際に血糖が高いけど治療していないなどあれば一度ご相談ください。