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2024.05.27

  • 健康

ビタミンDの意外なガン予防効果

みなさま、こんにちは。

まにわクリニック院長の馬庭です。

骨を丈夫にするのに必要なビタミンD。

近年ではそれ以外にも様々な効果が報告されています。

今回はビタミンDの意外なガン抑制効果について解説します

1. ビタミンDの役割

まずはじめに、ビタミンDはカラダにどのような役割を果たしているかを説明します。

ビタミンDは体内へのカルシウム吸収や骨の形成に必要となります。

ビタミンDの血中濃度が低下してしまうと血液中のカルシウム濃度の低下や骨吸収(骨を分解して骨からカルシウムが放出される)が進行し、骨粗鬆症がすすんでしまいます。

子供にビタミンD不足が生じると「くる病」と呼ばれる病気を発症し、骨や筋肉などが脆くなってしまいます。

骨を丈夫にするためには、カルシウムの摂取よりもビタミンDの摂取の方が重要となります。

近年は骨以外にもビタミンDの効能が報告されています。

● 血糖の調節
● メンタル疾患の抑制
● 大腸癌や乳癌予防
● 感染症の発症予防や重症化予防

などが挙げられます。

がんや感染症などに関しては、ビタミンDの免疫調節作用が関わっていると考えられます。
免疫を整えることで異常な細胞を排除したり、病原体の排除をしっかりと行えるようになります。

今回はそんなガンの抑制効果について、面白い研究結果がでてきたのでご報告します。

2. ビタミンDの意外なガン抑制効果

意外なガン抑制効果。

それは

ビタミンDによる腸内環境の変化

です。

ビタミンDが腸を変化させる?

腸の変化ががん予防?

クエッションがたくさん出てきそうですね。

今回ご紹介する研究は、英国から出された報告であり、4月26日のScienceとよばれる一流医学雑誌に掲載されたものです(Science 2024;384:428-37.)。

本研究ではマウスが実験動物として使用されています。

マウスのビタミンD血中濃度が高いほど、腸内細菌のBacterioides fragilisが増加し、それが免疫系に働きかけガン免疫を強化する可能性が示唆されています。

腸内細菌のバランスを変化させる要因としては、ビタミンDが腸の細胞に働きかけ、それが腸内細菌叢を変化させるのではないかと予測されています。

ヒトのデータベースからも、ビタミンD受容体の高い人はガンでの生存率が高いことや、ビタミンDの低い人はガンの発生率が高いことからも、ビタミンDの重要性がわかります。

今回の研究では、ビタミンDが腸内環境を変化させ、それがガン免疫強化、ガン抑制効果に寄与する画期的な報告ではないかと考えています。

やっぱりいろいろなアプローチで「腸活」を勧めることが、ガンを予防する意味でも大切ですね。

3. ビタミンD不足を解消するためには

では、ビタミンD不足を解消するためには何をすれば良いでしょうか。

まず重要なのは普段食べてる食べ物からです。

食材では鮭やサンマなど、脂の多い魚を摂取することがおすすめです。

レバーなどにも含まれていますが、含有量としては魚に軍配があがります。

それ以外ではしいたけなどのきのこ類にも含まれていますが、魚にはおよびません。

続いて重要なのは日光を浴びることです。しっかりと外にでて太陽の光を浴びましょう。

ただし、冬場や緯度の高い地域では、下の図のように長時間太陽に浴びる必要があり、現実的ではありません。
長時間になると皮膚がんのリスクや日焼け、肌荒れの原因にもなりますしね。

これだけビタミンD不足がまん延している現代社会では、サプリメントでの補給もおすすめです。

ただし、容量や血中ビタミンD濃度、血中カルシウム濃度などには注意が必要であり、医師にアドバイスしてもらった方が安全であると考えます。

いかがでしたでしょうか?

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

食事やサプリメントなどを使用して、しっかりとビタミンD濃度を維持し、さまざまな病気の予防に努めて頂きたいものです。
まにわクリニックでは、栄養サポート、サプリメントのご提案、栄養状態のチェックなどを行っております。気になるかたは一度ご相談ください。

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