Blog Detail
健康ブログ詳細
2024.05.13
- 健康
コレステロールは悪者!?
みなさま、こんにちは。
まにわクリニック院長の馬庭です。
健康診断などでコレステロールが高いと指摘されたり、なにかと悪者扱いのコレステロール
では、コレステロールは低ければよいのでしょうか?
今回はコレステロールについて解説します
1. コレステロールとは
よく悪者あつかいにされるコレステロール。
カラダにとって不要なものなのでしょうか?
でもカラダにとってなくてはならない要素なんです。
カラダの中にある脂質には、コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、リン脂質、の4種類があります。
その中のコレステロールは人のカラダの中のさまざまな場所で使用されています。
細胞1つ1つには、細胞膜が存在しています。この膜のお陰で細胞の内側と外側を隔て、機能を維持しています。
細胞膜を形作るにはコレステロールが必須となります。
食べ物に含まれる脂肪成分を消化して吸収するためには胆汁酸と呼ばれる消化酵素が必要です。
この胆汁酸もコレステロールから出来ています。
血圧や血糖を維持したり、ストレスに打ち勝って生活したり、女性が女性らしく、男性が男性らしい体型を維持し、生殖能力を得るためには、たくさんのホルモンが必要です。
このホルモンのもととなる重要な物質はコレステロールです。
また、近年コロナで注目されるようになったビタミンD。
骨を健康にするのに重要なだけでなく、がんや糖尿病、免疫を整えるためにもビタミンDが重要ですが、ビタミンDもコレステロールから出来ています。
このように、よく悪者にされるコレステロールは、本来カラダにとっては非常に重要な役割を担っているのです。
2. よく聞く「悪玉コレステロール」「善玉コレステロール」とは
血液検査などを受けると、
「悪玉コレステロールが高い」
「善玉コレステロールが低い」
などと言われる方も多いのではないでしょうか。
これってなんなんでしょう?
コレステロールは脂肪なので、通常水には溶けません。血液は水分が多いのでこのままでは血液を介して体中にコレステロールを運ぶことができません。
そこで登場するのがアポタンパク質という水に溶けやすいタンパクです。
コレステロールとアポたんぱく質が結合することで血液中を流れて全身に運ばれます。
このコレステロールを含む脂質とくっついた成分のことをリポタンパク質といいます。
リポタンパク質は、含まれる脂質の比重で4つに分類されます。
・カイロミクロン
食物から吸収された中性脂肪を運びます。
・VLDL(超低比重リポタンパク質)
肝臓や小腸で合成された中性脂肪を末梢組織へ運びます。中性脂肪が細胞に取り込まれて少なくなるとLDLになります。
・IDL(中間比重リポタンパク質)
コレステロールを細胞へ運ぶ働きがあります。VLDLがLDLになる中間のリポタンパク質です。
・LDL(低比重リポタンパク質)
コレステロールを肝臓から細胞へ運ぶ働きがあります
・HDL(高比重リポタンパク質)
コレステロールを細胞から回収して肝臓へ運ぶ働きがあります。
LDLは細胞にコレステロールを運んできて溜め込むので「悪玉」
HDLは細胞からコレステロールを回収するので「善玉」と呼ばれます。
でも、本当はLDLも必要なのです。これが少なければ細胞に十分なコレステロールが届けられなくなり、ホルモンや消化酵素などが作れなくなります。
3. コレステロールが異常に高くなる原因
正常なコレステロールレベルは、心血管の健康維持や他の体の機能に重要な役割を果たしていますが、異常に高いレベルは動脈硬化や心血管疾患のリスクを増加させることがあります。
血管の壁に脂質が溜まっていき、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を招くおそれがあります。
原因としては
1)食事の内容
よく、「コレステロールが高いと言われたので、卵は食べないようにしています」といったご意見を伺います。
確かに卵にはコレステロールが含まれており、たくさん卵を食べることで血中のコレステロールの値は多少上昇します。
しかし、カラダに存在するコレステロールの多くは肝臓から大部分が作られ、食事由来のコレステロールはわずかです。
悪いのは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食材です。畜産物やマーガリン、フライドポテトに代表される食品です。
また、甘いお菓子やスナック、ジュースなどのブドウ糖や果糖が多いものも原因となります。
食べ過ぎによって余った糖質は遊離脂肪酸へと変換され、中性脂肪を増加させて肥満につながったり、肝臓でのコレステロールの合成を増加させます。
食事の時間が不規則であったり、3食きちんと食べない人も血糖値の上昇が起こりやすく、コレステロールの上昇や肥満につながります。
2)運動不足
運動不足もコレステロールを上昇させるリスクになります。
筋肉量がへってしまうと、食後の血糖値の過度な上昇が起こりやすくなります。
3)睡眠不足
睡眠は非常に重要です。
熟睡しているときに成長ホルモンが作られます。
成長ホルモンには脂肪を分解する働きがありますので、睡眠不足が続くとカラダに脂肪を溜め込み、コレステロールを高める可能性があります。
4)遺伝性
なかにはLDLコレステロールが異常に高くなる遺伝子変異を持たれている方がいます。
この場合は食事や運動のみの対応が非常に難しくおくすりの力を頼る必要があります。
ご家族の中に若くして脳梗塞や心筋梗塞になられた方がいる場合、要注意です。
4. 対策
コレステロールが高すぎるのはやはり良くないと考えます。しかし、コレステロールを下げれば寿命が伸びるかといえば、すべての方には当てはまらないといえます。
その方が持たれている病気、その方の栄養バランスの状態を考えた上で、血中コレステロールの値を調節することが重要であろうと考えます。
そのためには、まず己の状態を知ることが重要ではないでしょうか。
そのうえでコレステロールが異常に高い場合、まずは食事内容を見直しましょう。
飽和脂肪酸は、肉の脂身(赤身ではなく白い部分。バラ肉、ひき肉、鶏肉の皮など)・マーガリンやラード・生クリームなどに多く含まれます。インスタントラーメンやフライドポテトなど加工食品にも含まれています。
血糖の上昇を避けることも必要です。
ゆっくりと食べる
野菜から食べる
よく噛む
3食まんべんなく食べる
朝食を抜かない
などが大切です。
そして食べたあとはカラダを動かしましょう。
カラダを動かして筋肉を使うことで糖が筋肉に取り込まれ、血糖の上昇を緩やかにしてくれます。
いかがでしたか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
箕面船場にある まにわクリニックでは、医師や管理栄養士にて栄養解析、栄養指導を行っています。
脂質のことが心配、実際にコレステロールや中性脂肪が高いなどの指摘された方は一度ご相談ください。