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2024.01.12
- 健康
低糖質ダイエット 内容を間違えると逆効果!?
みなさん、こんにちは。
まにわクリニック院長の馬庭です。
体重が気になり、低糖質ダイエットを試みられた方も多いのではないでしょうか
今回は低糖質の食事内容によって減量効果が異なることを調べた研究結果が発表されましたので、それについて解説します。
1. 人はなぜ太るのか?
まず始めに、なぜ人は太るのでしょうか?
もちろん食べ過ぎでカロリーオーバーになれば、太ってしまうのは納得いただけると思いますが、中にはそんなに食べていないのに太ってしまう、やせれない、お腹のお肉が気になる方も多いのではないでしょうか。
食事を食べると必ず血糖値が上がります。通常はどんなときでも血糖値が140を超えることはないとされています。
しかし、食生活の乱れ、運動不足、慢性的なストレスなどがあると、食後に血糖値が140を超えて上昇してしまうことがあります。
これを
「食後高血糖」
と呼びます。
下の図のように、不要な上昇分は中性脂肪に変換され、それが皮下脂肪、肝臓、筋肉などに蓄積されていきます。
肝臓に中性脂肪が貯まると脂肪肝になり、筋肉に中性脂肪が貯まると血糖を下げるインスリンの働きが低下してしまいます。これを「インスリン抵抗性」と呼びます。
インスリン抵抗性が生じてしまうと、さらに食後の高血糖が増悪し、余計に脂肪がたまってしまうのです。
これの成れの果てが糖尿病です。
近年の生活環境、食事内容の変化に伴い食後に高血糖を認める方が多くなってきています。
なので食事の量が多くなくても、食後高血糖をきたしてしまい、太ったり、痩せれなかったりしてしまうのです。
なので、できるだけ血糖をあげないようにするために低糖質ダイエットが注目されています。
2. 低糖質ダイエット、食事内容で効果が異なる
今回ご紹介するデータは2023年12月に発表されたアメリカ内科学会系列の結果です。
アメリカで実施されている3つのコホート研究の結果をまとめ、食事に対する糖質の量、食事の内容とその後の体重の変化が検討されています。
123,332人、平均年齢45歳、84%が女性を対象とした結果が報告されており、4年毎の糖質の摂取量の変化と体重の増減が評価されています。
解析の結果、4年後に糖質の摂取量が増えても減ってもやや体重は増加する結果となっています。
食事の内容で検討した結果では、精製度の低い食品、食物性タンパク質や良質な脂質を摂取している人では糖質を制限していると体重は増加せず、逆に精製度の高い食品や動物性のタンパク質、質の良くない脂質を摂取していると糖質が少ないほうが体重が増加してしまうと報告されています。
ここで読み取れるのは、いくら糖質制限をしていても、糖質のかわりに摂取する食事の内容によっては逆効果であるということです。
3. 院長からの提案
今回の研究で観察された方の糖質摂取量は、全カロリーの40~60%が糖質を摂取されていました。
つまり、糖質制限食といっても40%が糖質でエネルギーをまかなっているということです。
糖質はカラダのバランスを維持する上で必要な栄養素なので、過剰に糖質を制限することはおすすめできません。
また、血糖を上昇させないために糖質を制限しても、他の食事によっては逆効果になることが示されており、バランスのよい食事をいただくことが一番重要ではないかと思います。
今回の研究は欧米人のデータであり、対象者も女性が多かったため、この結果をそのまま日本人全員に当てはめることはできませんが、体重を減らしたい・増やさないようにしたい方にとって重要なのは、
糖質を制限することではなく
食品を選びながら、いかに食後の血糖を上昇させずに適度な糖質を摂取していくか
が重要ではないかと考えます。
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
箕面・船場・千里中央・吹田・豊中にある まにわクリニックでは、血液検査や食事内容から栄養状態を解析し、栄養サポートを行っております。
肥満でお困りのかたに対してダイエット外来も行っていく予定ですので、興味のある方は、お気軽にご連絡ください。