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2023.12.24

  • 健康

妊娠中のビタミンD補充が子供の喘息予防!?

みなさん、こんにちは。

まにわクリニック院長の馬庭です。

日本人の98%がビタミンD不足と報告されています。

今回は、妊娠中のビタミンD補充と生まれてくる子供の喘息発症について解説します。

1.ビタミンDの役割

まずはじめに、ビタミンDはカラダにどのような役割を果たしているかを説明します。

ビタミンDは体内へのカルシウム吸収や骨の形成に必要となります。

ビタミンDの血中濃度が低下してしまうと血液中のカルシウム濃度の低下や骨吸収(骨を分解して骨からカルシウムが放出される)が進行し、骨粗鬆症がすすんでしまいます。

子供にビタミンD不足が生じると「くる病」と呼ばれる病気を発症し、骨や筋肉などが脆くなってしまいます。

骨を丈夫にするためには、カルシウムの摂取よりもビタミンDの摂取の方が重要となります。

近年は骨以外にもビタミンDの効能が報告されています。

・血糖の調節
・メンタル疾患の抑制
・大腸癌や乳癌予防
・感染症の発症予防や重症化予防

などが挙げられます。

がんや感染症などに関しては、ビタミンDの免疫調節作用が関わっていると考えられます。
免疫を整えることで異常な細胞を排除したり、病原体の排除をしっかりと行えるようになります。

今回テーマにしている喘息も、「気管支」と呼ばれる空気の通り道が免疫の異常で炎症を起こして発症する病気です。

2.妊婦にビタミンDを補充した研究

今回取り上げたい研究は、米国で行われていた、15年にわたるビタミンD出生前喘息減少試験(VDAART)結果からの報告です。

妊娠中にビタミンDを摂取することで、生まれてきた子供の喘息発症率を下げることができるかどうかが検討されています。

アレルギーまたは喘息の既往、もしくは家族歴をもつ妊娠中の女性435人が対象となり、無作為に
「妊娠用のマルチビタミン(ビタミンD3 400IU含有)を服用する群」
「妊娠用のマルチビタミンに加え、さらにビタミンD3を4000IU(合計4400IU)服用する群」
に分けられています。

サプリメントは妊娠10~18週目の間に服用し、生まれてくる子供の喘息の発症や呼吸機能などが解析されています。

その結果、ビタミンD3を4400IU服用した母親の子供は、マルチビタミン剤のみの母親の子供と比較して喘息の発症リスクが20%低くなり、肺機能も良好な結果であったことがわかりました。

母親のビタミンDを充足させることで、生まれてくる子供の喘息を減らすことを示した重要な研究結果ではないかと考えています。

3.ビタミンD不足を解消するためには

では、ビタミンD不足を解消するためには何をすれば良いでしょうか。

食材では鮭やサンマなど、脂の多い魚を摂取することがおすすめです。レバーなどにも含まれていますが、含有量としては魚に軍配があがります。
それ以外ではしいたけなどのきのこ類にも含まれていますが、魚にはおよびません。

日光を浴びるのも1つです。しっかりと外にでて太陽の光を浴びましょう。

ただし、冬場や緯度の高い地域では、下の図のように長時間太陽に浴びる必要があり、現実的ではありません。
長時間になると皮膚がんのリスクや日焼け、肌荒れの原因にもなりますしね。

これだけビタミンD不足がまん延している現代社会では、サプリメントでの補給もおすすめです。

ただし、容量や血中ビタミンD濃度、血中カルシウム濃度などには注意が必要であり、医師にアドバイスしてもらった方が安全であると考えます。

いかがでしたでしょうか?

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

食事やサプリメントなどを使用して、しっかりとビタミンD濃度を維持し、さまざまな病気の予防に努めて頂きたいものです。
まにわクリニックでは、栄養サポート、サプリメントのご提案、栄養状態のチェックなどを行っております。気になるかたは一度ご相談ください。

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