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2023.07.19
- 健康
フルーツジュースは善か悪か
みなさん、こんにちは。
まにわクリニック院長の馬庭です。
あさ、時間がない時にフルーツジュースや野菜ジュースで済ませる方も多いのではないでしょうか。
ジュースだけではないにしろ、ビタミンの補給目的に野菜や果物の代わりにジュースを飲んでいませんか?
それって本当に健康に良いのでしょうか
今回は、フルーツジュースについて解説します。
1. フルーツジュースの種類
フルーツジュースと一言でいっても、果汁の割合や製法によって種類が分けられます。
フルーツジュースと表記できるのは、果汁100%のものだけとなります。
果汁が100%未満であるものには、当然それ以外の添加物が加えられています。
果汁の割合が低くなればなるほど、他の添加物が混入してくるので、何のために飲んでいるのか分からなくなりますね。
2. 果汁100%にも2種類ある
先の表でも記載していますが、果汁100%にも2種類あります。
濃縮還元とは、
● 原料となる野菜を加熱して水分を飛ばしてペースト状に加工
● 搾った果汁から一旦水分を取り除き濃縮したものを冷凍保存したものを、製品にする際に水分を加え液体に還元したもの
とされています。濃縮還元 果汁100%とは、濃縮したものを水や添加物を加えて濃度00%に戻したものということになります。
一方ストレートとは、
● 果物から搾り出した果汁を、そのまま低温保存しておき容器に詰めたもの
とされています。
3. 濃縮還元の罠
濃縮還元にはどのような問題があるのでしょうか。
1つは、加熱処理などの加工過程によって、本来果物や野菜がもっている栄養素が失われてしまうことにあります。
野菜や果物には豊富にミネラル、ビタミンが含まれています。しかし、加熱などの処理を加えることでビタミンやミネラルが喪失してしまいます。
「1日分の野菜がこれ1本」
と記載されていても、ビタミンやミネラルが1日分とれているわけでは無いのです。
2つ目は、加工過程でによって野菜や果物がもつ本来の風味・香りが失われてしまいます。
それを補うために人工的な加工物を使用し、変色や味の劣化を防いだり、賞味期限を長く保つ工夫をしたり、収穫場所や旬、生育状態による味のばらつきをなくすため、砂糖や人工甘味料を加えるなどの処理がされています。
4. 人工甘味料や砂糖を加えると・・・
人工甘味料や砂糖を加えると、どのような弊害が起きるのでしょうか。
データを紹介したいと思います。
いくつもの報告をまとめたメタ解析と呼ばれる手法で評価をしたデータによると、
人工甘味料や砂糖を加えたフルーツジュースや野菜ジュースを1日1杯増えるごとに
肥満が12~24%、糖尿病が15~19%、高血圧が8~10%、死亡率が4~6%増えることが報告されています(Eur J Epidemiol 2020;35:655-671)。
健康を意識して摂っているつもりが、逆に病気になったり寿命を縮めてしまうなんて!
衝撃ですね。
それ以外にも、人工甘味料は腸内環境を悪化させることが報告されています。
5. ストレートでもカラダに悪いのか?
では、ストレートではどうなのでしょうか。
こちらもメタ解析の結果によると、精製されていない未加工のフルーツジュースや野菜ジュースでは、糖尿病や肥満などは増加しないと報告されています(Eur J Clin Nutr 2023;77:699-704)。
つまり、未精製のフルーツジュースでは病気を発生させず、果物や野菜の代替品として使用できそうです。
いかがでしたでしょうか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
一言でフルーツジュースといっても、製法によって全く結果は異なりますね。
しっかりと成分表示をみて商品を選ぶことが重要です。
まにわクリニックでは、栄養外来、サプリメント外来、点滴療法外来などにて栄養のアドバイスやサポートを行っています。無料の相談もしていますので、お気軽にご相談ください。