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2023.07.07
- 健康
偏頭痛、肩こりの方必見!マグネシウムを補おう
みなさん、こんにちは。まにわクリニック院長の馬庭です。
季節の変わり目や低気圧などで頭痛や肩こりが酷くなる方が多いですよね。
それはマグネシウム不足が原因かもしれません。
今回は、現代人が不足しがちなマグネシウムについて解説します。
1. 現代人はマグネシウムが不足している
おそらく意識的にマグネシウムを摂取している人はすくないのではないでしょうか。
栄養外来に通院されている方や、分子栄養学・オーソモレキュラーに興味のあるかたは定期的に補給されている方が多く、その重要性も理解されていますが、まだまだ少数だと思います。
現代の日本人(海外でも同様の傾向がありますが)はマグネシウムの摂取量が少ないことが国民健康・栄養調査で明らかにされています。
日本人の食事摂取基準2020年版に対する国民健康・栄養調査結果をもとにした比較
2. マグネシウムはカラダのどこに多い?
ヒトのカラダには約25gのマグネシウムが存在すると言われています(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 p.262 )。
そのうち50~60%が骨に存在し、40%が筋肉や軟部組織、約1%が細胞外液(細胞の外にある液体で、血管の中や血管の外側にあるもの)に存在しています。
体内でマグネシウムの濃度が一番高いのは心臓と脳です。
基本的に
となります。
つまり、不足すると、心臓や脳、筋肉などの影響が出てきやすくなります。
3. マグネシウムの役割
では、マグネシウムは体内でどのような働きをしているのでしょうか。
まず知っていただきたいのは、マグネシウムは補酵素として300種類以上の酵素の働きを助けています。
酵素とは、あるタンパク質(A)を別のタンパク質(B)に変換するときに必要な物質です。
タンパク質はA⇛Bに変わることで効力を得たり、逆に効力が無くなったります。
その酵素の働きをサポートするのが補酵素となります。
つまり、カラダの中で色々な物質が代謝されたり、効果を発揮したり、バランスを取るためには、マグネシウムが大活躍しているのです。
2つ目は、細胞の膜の部分でカルシウムの調節を行っています。
たとえば、筋肉が縮もうとするとき、細胞にシグナルが送られてきます。そのシグナルをもとに細胞に「縮め!」とスイッチを入れるのが「カルシウム」になります。
いつまでもスイッチが入りっぱなしだと細胞は疲れてしまうため、すぐにスイッチをオフにする必要があります。この「オフ」の役割をしてくれるのがマグネシウムになります。
それ以外にも、ミトコンドリアでエネルギーを作る、遺伝情報の発現、ホルモンの合成の制御、鉄を運ぶためのタンパク質の合成、ビタミンDの活性化などにマグネシウムは必要になります。
4. マグネシウムが不足すると出てくる症状とは?
では、マグネシウムが不足するとどのような症状がでてくるのでしょうか。
症状として多いのは、マグネシウムの役割の2つ目にご紹介した細胞のスイッチをオフにする役割ができなくなることに関係しています。
細胞のスイッチがオフにできないと、細胞はスイッチが入りっぱなしになってしまいます。
それが筋肉なら、筋肉がずっと縮みっぱなしになり、こむら返りや肩こり、頭痛の原因になります。
気管支(空気の通り道)を広げたり縮めたりするのも筋肉が行っているため、気管支喘息の発作が起きやすくなります。
血管も筋肉が広がりを調節しているため、マグネシウム不足で血管が縮こまり、高血圧の原因になります。
心臓はマグネシウムの濃度が高い臓器でした。なのでマグネシウムが不足すると心臓の筋肉は興奮しっぱなしとなり、不整脈の原因となります。
それ以外にも、線維筋痛症、便秘、糖尿病などがマグネシウム不足で発症しやすいことが報告されています。
5. マグネシウムが吸収されるためには
マグネシウムはミネラルです。酸化マグネシウム(便秘薬)や塩化マグネシウム(にがり)、硫酸マグネシウム(天然塩、温泉)、リン酸マグネシウムなどの形態で存在しています。
マグネシウムを摂取した場合、小腸で吸収されると考えられています。
ミネラル全般にいえることですが、体内に吸収されるためには胃酸でイオン化される必要があります。
さらに小腸で吸収されるためには有機酸や短鎖脂肪酸が必要になります。
6. マグネシウムの吸収を邪魔する悪いやつ
先に述べた通り、マグネシウムが吸収されるためには胃酸が必要です。
なので、胃酸を抑える薬を服用していたり、ヘリコバクターピロリ菌に感染していて胃酸の分泌が低下している方、胃の手術をしている方ではマグネシウムの吸収が低下してしまいます。
また、腸内環境が悪化すると、マグネシウムの吸収に必要な短鎖脂肪酸が減少してしまうため、やはり吸収が低下してしまいます。
近年は加工食品を摂取する方が増えています。加工食品にはリン酸塩が添加されていることが多く、これがマグネシウムと結合し吸収を阻害してしまいます。
その他にもアルコール摂取、ストレス、激しい運動によってマグネシウムの尿への排泄が増加することが報告されています。
7. マグネシウムをあげる方法
マグネシウムが不足しているかどうか、気になりますよね。
血中のマグネシウム濃度は血液検査でも測定することができます。
でも、マグネシウムの多くは骨や筋肉など、血液中以外の部分に存在しています。ですからいくら血液中の濃度が正常範囲でも、カラダ全体では不足している可能性があります。
現代の日本人ではマグネシウムは不足がちであり、しっかりと補給してあげることが重要です。
食事では海藻、にがり、魚介類などに含まれています。しかし、海藻などの含まれるマグネシウムは吸収が悪いとされています。
また、マグネシウムは一度に摂取する量が多いほど吸収効率は低下するとされています。
なので一度にたくさん摂るのではなく、こまめに摂取するほうがよいでしょう。
たべもの以外では、エプソムソルトを入浴剤として使用する方法があります。マグネシウムは皮膚からも吸収されるので、ゆっくりと湯船につかり、ストレス解消とあわせてマグネシウム補給はいかがでしょうか。
それ以外にはサプリメントの使用も有効です。サプリメントの中にはアミノ酸でキレートした吸収効率のよい製品もあります。食事で十分に補えない分をサプリメントで代用するのもよいでしょう。
偏頭痛などでおつらい方は、点滴で投与してあげることも有効です。実際に当院でも偏頭痛の方に点滴を行い劇的に症状が良くなられる方がいます。
症状にあわせて投与方法を調節するのも良さそうですね。
いかがでしたでしょうか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
食事やサプリメント、点滴などを使用して、しっかりとマグネシウムを維持して頂きたいものです。
まにわクリニックでは、サプリメントや点滴療法のご提案、栄養状態のチェックなどを行っております。気になるかたは一度ご相談ください。