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2023.12.20
- 健康
自動車の排気ガスが血圧を上昇させる!?
みなさん、こんにちは
まにわクリニックの馬庭です。
歳を重ねるごとに血圧が気になる方が多いのではないでしょうか?
すべての病は血管からとも言われており、高血圧は血管の老化を進めてしまいます。
今回はアメリカから衝撃的な研究報告がなされましたので解説します。
1. 血圧が高いと・・・
食生活の乱れ、運動不足、慢性的なストレスなどの生活習慣の乱れや、ホルモン異常により血圧が上昇すると「高血圧」と呼ばれるようになります。
日本の高血圧有病者数は4,300万人と推定されています。そのうち治療によって良好な血圧がコントロールが得られているのはわずか30%と言われています。つまり、3,100万人の患者様は管理が十分にできていないということです。非常に多いですよね・・・
管理が不十分な患者様の3割の方が「自らの高血圧を認識していない」。29%の方が「認識しているが治療を受けていない」と推定されています。
(高血圧治療ガイドライン2019より)
心臓疾患は死亡原因の第2位、脳血管疾患は第4位であり、高血圧はその疾患原因の1つであることが知られています。
降圧薬の使用歴がない30歳以上の日本人男女8,952人の24年間に及ぶ追跡調査によると、血圧が高いほど循環器疾患、脳血管疾患、冠動脈疾患による死亡リスクが高くなることが報告されています。
Takashima N, et al. J Hypertens 2012
2. 自動車からの排気ガスは高塩分摂取に匹敵する血圧上昇をもたらす
今回紹介する研究は、アメリカで行われた交通関連大気汚染と血圧の関係を調べた研究の結果です(Annals of Internal Medicine 2023)。
血圧に異常を認めない22~45歳の16名に対して、高速道路走行中に車内に回りの空気を取り込ませ、運転前、運転中、運転後24時間の血圧測定を行っています。
実験は2回行われ、1回は高速道路の空気をそのまま車内に取り込み、もう1回はフィルターで微粒子を除去させた空気を取り込ませています。
フィルターによって環境中の微粒子の86%が除去できたようです。
フィルターを付けずに1時間運転をした場合、収縮期血圧が4.5mmHg、拡張期血圧が4.7mmHgも上昇し、24時間後もその影響が残っていました。
この血圧上昇作用は、高塩分を摂取したときと同程度の作用であり、大気中に存在する排気ガスの毒性の高さが証明された結果と言えます。
3. まとめ
今回の研究は検査者数が16名と少数ではありますが、健常者に対する血圧の影響を示した重要な研究結果ではないかと考えます。
車を含め周りにはたくさんの有害物質が存在しています。
特に日本は地理的に多くの大気汚染物質にさらされています。すべての環境汚染物質を除去することは難しいですが、なるべく暴露されないように工夫が必要であると感じます。
また、今の自分はどのくらい毒素が蓄積しているのか、どれくらい溜まった毒素を排泄できる力があるのかを知ることも重要です。
まにわクリニックでは毒素の蓄積、排泄能力を測定し、デトックスをはじめとしたアンチエイジング治療を行っています
血圧・毒素の蓄積が心配、実際に血圧が高いけど治療していないなどあれば一度ご相談ください。