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2023.10.13
- 健康
砂糖入り飲料水と大腸癌の関係
コンビニに行けば様々な飲料水が手に入ります。
ファーストフード店でもセットとして飲料水が提供されています。
甘くて美味しいですが、カラダにとって大丈夫なのでしょうか?
今回は砂糖を使用した飲料水と大腸がんの関係について、様々な研究をまとめて解析した「メタ解析」の研究結果をご紹介します。
1. 砂糖を使用した飲料水と大腸癌のメタ解析
今回ご紹介する研究結果は、2023年にEuropean Journal of Clinical Nutritionに掲載された中国のデータを使用したメタ解析です(EJCN 2023;77:941-52)。
メタ解析というのは、いくつかの論文データを集め、統合して解析をしていく統計学的な方法です。
複数の研究で得られた効果が一致しない場合や、それぞれの研究の標本サイズが小さく有意な効果を見いだせない場合などに有用であるとされています。
今回の研究では、17の論文、557,391例のデータが解析されています。
最も多く砂糖入りの飲料水を摂取した人たちは、
大腸癌のリスクが17%上昇
死亡率が13%上昇
することが分かりました。
大腸癌の中でも直腸に近い癌の発症は41%も上昇するようです。
砂糖のとりすぎは大腸癌のリスクを高め、寿命を縮めてしまうようです。
2. 私が考える理由
なぜ砂糖のとりすぎで大腸癌が増え、死亡率が上昇してしまうのでしょうか。
一つは「糖化」が挙げられます。
糖化とは、カラダのコゲです。
余分な糖分が存在すると、タンパク質や脂質とくっつき、性質を変えてしまう作用があります。
タンパク質や脂質は私達のカラダを構成している重要なものです。
腸粘膜、腸上皮もタンパク質と脂質からできています。
腸の細胞が変性し、性状が変化してしまうと炎症を起こしてしまいます。
炎症は癌を生じさせたり、カラダを老化させる要因です。
また、免疫細胞もタンパク質からできています。
免疫細胞はがん細胞がカラダにできてしまった場合、それを排除するためになくてはならない存在です。
この免疫細胞が変性してしまうと、当然しっかりと働けなくなるのでガンを抑制できなくなってしまうのです。
二つ目は、「腸内環境の悪化」です。
腸内に存在する良性な菌たちは、わたしたちの腸やカラダにエネルギーやビタミンを与えてくれ、カラダを守ってくれています。
そこに大量の砂糖が押し寄せてくると、カラダにとって悪さをする悪玉菌が増えたり、普段は特に悪さをしない日和見菌が悪性化して、腸内環境を悪化させてしまいます。
代表的な菌が「カンジダ菌」です。
砂糖が増えることでカンジダ菌が増加・悪性化して腸に炎症をもたらしたり、腸粘膜を傷つけて「リーキーガット」と呼ばれる状態にしてしまいます。
このような変化が続くことで、大腸癌や死亡率が増加してしまうのではないかと考えています。
3. 対処法
ではどうしたらよいのでしょうか?
まずは砂糖の使用頻度を減らすことです。
甘みは食事を美味しくするために必要ですので、ラカントやソルビトールやキシリトール、マルチトールなどの糖アルコールを利用するのが良いでしょう。
加工食品には添加物や砂糖、人工甘味料などがたくさん使用されています。
できるだけ、未精製の食材を選ぶことをおすすめします。
もちろん、ケーキ、お菓子などのスイーツを全く食べないなど、楽しみがなくつらいと思います。絶対食べるなという訳ではなく、たまのご褒美にいただくくらいの頻度が良いのではないでしょうか?
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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